車内で靴を脱ぐのはマナー違反なの?【新幹線・特急・快速・普通】

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記事執筆者
恵 知仁(めぐみ ともひと)

鉄道、乗り物、旅行に関する取材、記事制作などを行っています。鉄道ライター、トラベルライター。日本の鉄道はJR、私鉄とも完乗。東京都在住。一児の父。

東海道新幹線の車内
東海道新幹線の車内

電車の車内で靴を脱ぐ行為について、賛否両論あるようです。

そこにルールはあるのでしょうか。マナーがあるのでしょうか。

大人の場合、子供の場合はどうでしょうか。

鉄道ライターがその経験などを元にお答えします。

靴を脱ぐメリット・デメリット

そもそも何がよくて、新幹線や特急列車などの車内で靴を脱ぐのでしょうか。

  • 足の窮屈さがなくなって楽
  • ボックス席の場合、前の席に足を乗せられて楽

ふたつ目について賛否両論あると思いますが、ひとまず置いといてください。

では「車内で靴を脱ぐ行為はNG」とする理由には、どんなものがあるでしょうか。

  • 足のにおいが周囲に広がる
  • 靴下も不衛生

こんなところでしょうか。

つまり、靴を脱いだ本人にはメリットがあるものの、周囲にはデメリットしかない、わけですね。

問題になるわけです。

「車内での靴脱ぎ」はマナー違反?
「車内での靴脱ぎ」はマナー違反?

電車の「靴」に関するルールは?

「車内で靴を脱いではいけない」というルールは、存在していません

ただJRの旅客営業規則「第10章 手回り品」には、車内へ持ち込めないものについて、次の条文があります。

  • 不潔又は臭気のため、他の旅客に迷惑をかけるおそれがあるもの(第307条第1項)

該当する場合、「車内から退去させる」となっています(ごくシンプルに表現すると)。

「不潔、臭気の原因になる場合は列車に乗せない」というルールがあるわけですね。

着ている衣服も対象?

しかし、これは「手回り品(持ち物)」に関するルールです。

衣服など、身につけているものにも適用できるのか……。

仮に適用できるとして、「持ち込み品が不潔、臭い場合」はともかく、「その人や衣服が不潔、臭い場合」は現実的なところ、複雑な話になりそうな気がします。私にはよく分かりませんけども。

ただこの条文から、「車内で不潔なもの、臭いものはNG」という明確なルール、原則がある、とは言えそうです。

「車内で靴を脱ぐ」はNG?

ですが、「においの問題」は難しいですよね。

たとえば人間の体臭的な話だと、どうしようもない場合がありますし。

なので「どうしようもない場合」はおいとくとして、公共の場である車内では、とりあえず「それをやったら不潔、臭くなる」ことはやめようよ、そういうマナーにしようよ、というのは、現実的な話にも思います。

……となると、「車内で靴を脱ぐ」はNGになるのでしょうか。

靴を脱いで使う席

新幹線のグリーン車にあるフットレストは、足置きがそのままの状態だと靴を履いて、足置きを裏返した状態では靴を脱いで使うしくみです。

JRの特急列車にあるグリーン車も、そうして足置きを裏返せるものは、同じ使い方ですね。

これらは特に「靴を脱いで」とは明記されていませんが、近鉄の特急「ひのとり」にあるフットレストは、「靴を脱いで」と明記されています

現時点で「車内で靴を脱ぐ」ことは一般的な利用の範囲内であり、基本的には問題ないというのが鉄道会社側の考えで、これまでの慣例になっている、といえるでしょう。

靴を脱いで使う近鉄「ひのとり」のフットレスト
靴を脱いで使う近鉄「ひのとり」のフットレスト

食事・飲酒・化粧…

とはいえやはり、「においの問題」は難しいですよね。

「車内で靴を脱ぐ」行為を不快に感じる場合があるのは事実で、そうした「においが出る行為」をやめようよ、という考えが出てくるのは当然だと思います。

しかしそうすると、車内での食事、飲酒、化粧なども引っかかってくる可能性が……。

「不潔、臭いはダメ」というルールはあるものの、どこからが「不潔、臭い」になるのか、明確な基準はありません。

その線引きは、その時代の社会通念、マナーの考え方による、となるのでしょう。

少なくとも現時点では、靴を脱いで使う席があるように、社会通念上、「車内で靴を脱ぐ行為」自体は問題ではない、ということになっている、といえそうです。

『クレヨンしんちゃん』の野原ひろしが靴を脱いだら、問題どころか異臭騒ぎになるかもしれませんが。

ヤバかった昭和の靴脱ぎ

昭和の時代、車内で靴を脱ぐ行為は当たり前のように行われていた気がします。

平成の時代も、少なくとも中期ぐらいまでは結構、そうだったかもしれません。

靴を脱いで、足を床に敷いた新聞紙の上にのせる。

ボックス席で靴を脱いで、向かいの席に足をのせる。

よく見ました。

というか、それ以上のこともありました。

昭和・平成初期の普通列車車内
昭和・平成初期の普通列車車内

荷物どけてくれない?

昭和末期から平成初期、私が中高生ぐらいのときだったでしょうか。

私は4人掛けのボックス席窓側に座り、車内は空いていたので、隣に荷物を置いていました。

ある停車駅からおじさんが乗ってきて、私の右斜め前(進行方向逆向き通路側)に座ります。

おじさんは、私に言いました。

足をのせたいから、荷物どけてくれない?

つまり、私の座っているすぐ横に、自分の足をのせるぞ、と言っているのです。

しかも、私に荷物をどけさせて。

これには、さすがの当時でも「はぁ?」となりました。

荷物、どけてしまいましたけども。

それはまだマシだった

さらにヤバいこともありました。

同様の状況で、いきなり足をのせてきた人がいました。無言で、私の荷物が置いてある場所に。

さすがに足は荷物の上でなく、荷物の横でしたが、だからOKというものでもありません。

令和のいまだったら、SNSにさらされそうですよね。

まあでも、私より上の世代ではこうした行為、特に問題ではなかったのかもしれません。

令和のいま、車内での靴脱ぎについて、特に若い方が違和感を覚えているように見えます。

平成初期、上の世代に違和感を覚えた若い私も、それと同じなのかもしれません。

それでも、この2例はどうかと思いますが。

車内での靴脱ぎ問題まとめ

昔話はさておいて、「車内で靴を脱ぐ」ことについて、まとめます。

  • 靴を脱ぐと楽
  • ふつうに靴を脱いでいた時代があった
  • 令和の現在も、靴を脱ぐ人はいる
  • 靴を脱いで使う席や設備が存在する
  • 社会通念上「靴を脱ぐこと」は問題行為ではない
  • 「不潔、臭いものはNG」というルールはある
  • 「靴を脱ぐ」は周囲への迷惑になり得る行為
  • 令和の現在、SNSでは「靴を脱ぐこと」に否定的な意見も少なくない

昔から不快に思っていた人がいて、SNS時代になりそれが可視化されてきたという部分も、少なからずあるのでしょう。

左が靴を履いたまま、右が靴を脱いで使う状態の新幹線グリーン車フットレスト
左が靴を履いたまま、右が靴を脱いで使う状態の新幹線グリーン車フットレスト

「車内で靴を脱ぐ」アリかナシか?

電車の車内で靴を脱ぐ行為について、昭和生まれの私は車内が空いていれば、そこまで気にしないです。

それを言うなら、靴を脱いで使う個室じゃないお座敷席はどうなるんだ、というのもありますしね。

ただ車内で、少なくとも次の行為は完全NGマナー違反だと思います。

  • 知らない人が座っているボックス席で靴を脱ぐ
  • 2人掛けの席で隣が知らない人なのに靴を脱ぐ

もちろん、靴や靴下が清潔であるのは大前提です(なにやら矛盾をはらんだ表現ですが)。

あと、ここまでつらつらと書いてきたのは「大人の場合」で、小学生低学年ぐらいまでの子供の場合、靴を脱いで基本的に問題ないと思います。

こういう言い方もなんですが、おとなしくしているのがなかなか難しいなか、靴を履いて動かれるよりは……。

今後は「ナシ」が標準に?

社会通念やマナーは、時代とともに変化します。

「車内で靴を脱ぐ」行為については、より品がよく、衛生的な方向で変わっている感じです。

今後、「靴を脱ぐのはダメでしょ」が共通認識になる時代が来るかもしれませんね。

ただ逆に言えば、現在は「別に問題ないでしょ?」と思っている人が、少なからずいるのも事実。

人や世代によって「常識」が違っているのが現実。

冷静な対応をオススメしたいです。

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