
- 湘南新宿ライン
- 上野東京ライン
- 東海道線(伊東線)
- 横須賀線
- 総武線快速(成田線・外房線・内房線)
- 宇都宮線
- 高崎線(上越線・両毛線)
- 常磐線
- 中央線(青梅線)
これら首都圏各路線で走っているJR東日本のグリーン車。その料金、よくある疑問・質問について、鉄道ライターがその経験などを元にお答えします。
グリーン車の基本、クリーン券の買い方、乗り方、車内、設備については、次のページをご覧ください。
グリーン料金の基本
グリーン車に乗りたい場合、グリーン券が追加で必要になります。普段使っている定期券に都度、グリーン券を追加して乗る形でもOKです。
グリーン券の料金は、乗車距離によって次のように変わります。
- 50kmまで:750円
- 100kmまで:1000円
- 101km以上:1550円
どの駅から乗り、どの駅で降りるかによって、グリーン券の料金は違ってくるわけです。
おもな駅から各駅までのグリーン料金について、詳しくは次の各料金表をご覧ください。
東京都内の駅
東海道・横須賀線方面の駅
宇都宮・高崎・常磐線方面の駅
- 上野駅~各駅までのグリーン料金表
- 大宮駅~各駅までのグリーン料金表
- 宇都宮駅~各駅までのグリーン料金表
- 高崎駅~各駅までのグリーン料金表
- 柏駅~各駅までのグリーン料金表
- 水戸駅~各駅までのグリーン料金表
総武線方面の駅

どこまでが50km?
グリーン車は、50kmまでの乗車なら750円の差額追加で利用できます。
東京駅から50kmに収まるのは、次の各駅までです。
新宿駅から50kmに収まるのは、次の各駅までです。
所要時間で考えると、おおよそ50分程度の距離ですね。

どこまでが100km?
グリーン車は、50kmから100kmまでの乗車なら、1000円の差額追加で利用できます。
東京駅から100kmに収まるのは、次の各駅までです。
- 東海道線の湯河原駅まで
- 横須賀線の久里浜駅まで
- 中央線の大月駅まで(青梅線は青梅駅まで)
- 高崎線の新町駅まで
- 宇都宮線の石橋駅まで
- 常磐線の岩間駅まで
- 総武線快速の成田空港、成東、上総一ノ宮、君津駅まで
新宿駅から100kmに収まるのは、次の各駅までです。
所要時間で考えると、おおよそ100分程度の距離ですね。
熱海、高崎、宇都宮駅へは、微妙に届かない感じです……。

子供のグリーン料金
グリーン車の料金は、大人、子供(小学生)とも同じです。
未就学児は、大人もしくは子供(小学生)1人につき2人まで、無料で席を使用可能。アテンダントが車内巡回後に、座席上のランプを「緑(利用中)」へ変えてくれます。
ただ混雑時は可能なら、未就学児は膝の上に座らせたほうがスマートですね。
割り引きで安く乗る方法
JRE POINT
JR東日本のポイントサービス「JRE POINT」を使えば、区間にかかわらず、600ポイント(600円相当)でグリーン車に乗ることが可能。101km以上乗る場合は、950円お得です。
「JRE POINT」のステージによっては、もっとお得にグリーン車へ乗ることもできます。「ステージ3」なら500ポイント、「プレミアム」なら400ポイントでOKです。
JRE BANK
JR東日本のインターネットバンク「JRE BANK」では、最大で年4回、グリーン券がプレゼントされます。
ただ、50万円以上の資産残高が必要です(ほかにも細かい条件がありますが、問題ないでしょう)。

グリーン定期券
グリーン料金が込みになったグリーン定期券も発売されていますが、お得というより、手間が省ける感じ。週5でグリーン車に往復で乗る人、出費より手間を減らしたい人以外は、気にしなくてよいと思います。
元を取るには?
グリーン定期券の料金は乗車距離ごとに変わり、49kmから50kmの場合、3か月用の料金は、通常の通勤定期券が6万9150円、グリーン定期券が16万4700円です(料金は乗る区間によって若干の違いあり)。
差額は9万5550円。50kmまでのグリーン料金は750円なので、3か月で128回(64往復)以上グリーン車を利用すれば、お得になる計算です。
3か月で64往復というと、月あたり21~22往復。平日に毎日、通勤でグリーン車を往復利用するなら多少お得になるかもしれませんが、休みの状況によっては元が取れない場合もありえます。
グリーン定期券の料金設定は、基本的にこんな感じです。
1か月用の定期券だとお得へのハードルが若干上がり、月22~23往復以上でお得になるかもしれない具合。6か月用の発売はありません。
メリットは?
より頻繁に乗る場合はともかくとして、グリーン定期券のメリットは、グリーン券購入の手間が省けるぐらいでしょうか。グリーン券の都度購入なら、JRE POINTなどでお得に乗ることもできますしね。
ただ、その手間が省けることに意味がある方も、いらっしゃることでしょう。
グリーン定期券は、モバイルSuica、Apple PayのSuica、駅の券売機などで購入できます。
詳しい料金は、モバイルSuica、Apple PayのSuicaからグリーン定期券の購入を進めていけば、その途中で確認可能です(確認したら購入手続きを中止すればOK)。
学生用・通学用のグリーン定期券はありません。子供(小学生)用はあります。
回数券は?
グリーン車の回数券は、ありません。2004年までは発売されていましたが。
学割は?
グリーン車の料金に、学割は効きません。
JRの切符で学割が効くのは、片道101km以上乗る場合の乗車券(運賃)だけです。
グリーン料金の注意点
安いのはSuicaグリーン券
グリーン券は、次の2種類があります。
- Suica、PASMOなどの交通系ICカード、モバイルSuica、Apple PayのSuicaにグリーン券情報を記録して乗車する「Suicaグリーン券」
- 駅の窓口や券売機、車内で購入する「紙のグリーン券」
「紙のグリーン券」で乗車すると、グリーン料金が「Suicaグリーン券」より260円高くなります。
立って乗っても料金は必要
グリーン車が満席で、そのデッキ(乗降口)や通路に立って乗車したとしても、座った場合と同額のグリーン料金が必要です。
通常の車両へ移る場合、その際にアテンダントへ申し出れば、駅でグリーン料金を払い戻せる証明書を発行してくれます。この場合、払い戻しの手数料はかかりません。
JRE POINTのグリーン券で乗車した場合も、同様に証明書をもらえば、ポイントを戻してもらうことが可能です。
よくある質問
- グリーン車の料金は高い?
グリーン料金は、「50kmまで750円」「100kmまで1000円」「101km以上1550円」です。
対し、特急「湘南」「あずさ」「あかぎ」「ひたち」「成田エクスプレス」などの特急料金は、チケットレス乗車なら「50kmまで660円」「100kmまで920円」「150kmまで1480円」。
グリーン料金は特急料金より高いので、「高い」といえば高いかもしれませんね。
ただ、JRのグリーン料金は基本的にこんなもの。特急のグリーン料金は「100kmまで1300円」「200kmまで2800円」と、もっと高いです。
また、特急「湘南」「あずさ」などの特急料金は、一般的な特急より料金が低く抑えられているため、相対的にグリーン料金が高い感じになっています。
JR東日本は、自らの「JRE POINT経済圏」をより活性化させるため、安くグリーン車へ乗りたいならJRE POINTを貯めて使ってね、という方針に思います。そのステージが「プレミアム」なら、乗車距離にかかわらず400円相当でグリーン車に乗ることが可能です。
- 土日のグリーン車の料金は?
グリーン車の料金について、以前は「平日料金」と「ホリデー料金(土休日など)」で違っていましたが、2024年3月16日から、曜日による料金の違いはなくなりました。
曜日にかかわらず、グリーン料金は通年で同じです。
- グリーン車の車内料金は?
グリーン車の料金について、以前は「事前料金」と「車内料金」で違っていましたが、2024年3月16日から、この違いはなくなりました。
現在は「SuicaやPASMOなどの交通系ICカード、モバイルSuica、Apple PayのSuicaでグリーン券を購入、利用した場合の料金(Suicaグリーン料金)」と、「紙の切符(通常料金)」の2種類になっています。
Suicaグリーン料金は、通常料金より260円安いです。
- タダ乗りできる? バレない?
抜け道は、いろいろなものに存在しますが、タダ乗りは「抜け道」ではなく「不正乗車」「犯罪」です。
鉄道営業法違反などに問われ、前科がつく可能性もあります。
- アテンダントがいない区間があるって本当?
乗務スケジュールの都合などにより、グリーン車にアテンダントがいない場合があるのは、事実です。
グリーン券を車内で購入しようと考えていた場合は、下車駅で申告して精算できます。
アテンダント不在をいいことに、不正乗車している人がいるとしたら、かわいそうですね。その不正乗車する人の頭、心が。