JR京都線とその駅、列車、沿線などについて、鉄道ライターの恵 知仁が個人的な経験に基づき、ご紹介します。何かのお役に立てましたら幸いです。
内容は正確を期すよう努めていますが、記憶違いが紛れているかもしれません。写真はトリミングしている場合、現在とは異なる社会的状況で撮影された場合があります。
路線の概要
- 区間・距離・鉄道会社
- 京都~大阪、42.8km、JR西日本
- 駅
- 京都、西大路、桂川、向日町、長岡京、山崎、島本、高槻、摂津富田、JR総持寺、茨木、千里丘、岸辺、吹田、東淀川、新大阪、大阪
- 補足事項
- 「JR京都線」は、東京~神戸間を結ぶ東海道本線のうち、京都~大阪間の愛称です。
列車
普通・快速列車(113系電車)
列車の写真を撮るのが好きな関東の中学生にとって、山崎駅、高槻駅は憧れでした。「聖地」として。
1989年(昭和64年)1月3日の朝、埼玉県から来た中学生は、ついに山崎駅へ初めて降り立ちました。そして、隣の高槻駅方面へ歩き出しました。
すると、いますいます。見えてきた踏切のあたりに、同じ目的の人たちが。
このときの私の気持ちは、ずっと「ディズニーランド」に行きたかった人が、初めて京葉線の舞浜駅に降り立ち、到着前の車窓や駅の雰囲気によって、いままさに興奮が最高潮に達しようとしているのと同様といえば、わかりやすいでしょうか。
詳しくは存じませんが、そうして訪れた場所(園内)で高価な望遠レンズを使い撮影を楽しむ人も多いと聞くので、きっと撮り鉄とディズニーオタクは、通じるところがあるのだと思います。Love & Peace。
閑話休題、訪れた撮影地(百山踏切付近)に、「’89姫路シロトピア博」をPRするヘッドマークをつけた113系がやってきました。米原方にデカ目非冷房の3連、姫路方に冷房車の4連の7両編成、野洲行き快速。
「’89姫路シロトピア博」は、姫路市の市制100周年を記念し、1989年(平成元年)3月から6月に姫路城などで開催されたイベント。インターネットがまったく一般的ではなかった当時、イベント情報――特に埼玉県人が兵庫県の情報を入手するようなことはハードルが高く、ヘッドマークを見て「なんだろう?」と思ったものです。
とはいえ「’89姫路シロトピア博」という名前なら、その文字列だけでどんなイベントかは想像できるわけで、命名は大事ですね。
「’89姫路シロトピア博」のヘッドマークをつけた113系は、JR琵琶湖線の米原駅でも同じ時期に撮影していました。デザインが違いますね。また写真の右側のほうには、見えづらいですが、「銀河 きたぐに 3号車」と書かれた乗車位置案内板が下がっています。
なお、このとき初めて山崎~高槻間の撮影地に来て、113系で最も興奮したことといえば、雑誌や書籍などでしか見たことがなかった混色編成でした。ネット時代のいまと比べて、関東と関西の精神的な距離は当時、だいぶ遠かった気がします。テレビ時代の前は、さらに遠かったのでしょうね。
で、この混結写真は、米原方にシールドビーム4連の冷房車、姫路方に混色7連の11両編成、野洲行き快速です。混色編成のほうは、非冷房車のユニットが入ってます。
以上、「埼玉県の中学生、西の有名撮影地に大興奮の巻(1)」でした。ちなみに当時、島本駅はまだ開業していません。