大阪・関西万博へ 東京から往復1万円で安く行く

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鉄道、乗り物、旅行に関する取材、記事制作などを行っています。鉄道ライター、乗り物ライター。日本の鉄道はJR、私鉄とも完乗。東京都在住。子鉄の父。

2025年10月13日(月・祝)まで開催されている、大阪・関西万博。JR全線の普通・快速列車の自由席が乗り放題になる「青春18きっぷ」を使うと、思ったより安く、見学に行けるかもしれません。

どうやって安く、首都圏から大阪・関西万博の会場へ向かうか、実際に東京都区内から「青春18きっぷ」で行く予定である鉄道ライターの恵 知仁がお伝えします。

大阪・関西万博の公式キャラクター「ミャクミャク」
大阪・関西万博の公式キャラクター「ミャクミャク」

まず「青春18きっぷ」かんたんに

青春18きっぷ」は、JR全線の普通・快速列車の自由席が乗り降り自由になる切符で、有効期間が「3日間」と「5日間」の2種類があります。

連続した3日間、もしくは5日間で利用でき、8月25日(月)に出発するとしたら、3日間用は8月27日(水)まで、5日間用は8月29日(金)まで、JR全線の普通・快速列車の自由席に乗ることが可能です。

「青春18きっぷ」の料金は、3日間用が1万円、5日間用が1万2050円

東海道線総武線快速湘南新宿ラインなど首都圏の普通・快速列車に連結されている自由席のグリーン車も、グリーン券の追加で利用できます。

新幹線と比較すると…

東海道新幹線で東京~新大阪間を移動する場合、チケットレス乗車サービス「スマートEX」の割り引き「EX早特21」を使えば、普通車指定席の利用で片道1万2980円。

しかし「青春18きっぷ」の3日間用であれば、往復で1万円。こちらが圧倒的に安いです。

ただ東海道新幹線のほうが、圧倒的に所要時間が短いです。

東海道新幹線「のぞみ」の場合、東京~新大阪間の所要時間は、乗り換えなしの片道で約2時間30分。

これに対し、普通・快速列車で東京~大阪間を移動した場合、片道およそ9時間少々を要します。乗り換えも、5回前後は必要です。

東海道新幹線のN700S電車
東海道新幹線のN700S電車

考え方次第の「新幹線」vs「青春18」

ただこの違いも、考え方次第で、どちらもメリットがありますよね。

お金より時間を重視するなら東海道新幹線ですし、時間に余裕があるなら「青春18きっぷ」も候補に入れてよいのではないでしょうか。

東京からまっすぐ大阪を目指さないで、静岡や名古屋で途中下車し、ご当地グルメを楽しむこともできます。

現代はスマホがあるので、バッテリー切れに気をつければ、長い乗車時間もそう苦にならないかもしれません。

スマホがない時代は、文庫本を何冊か持って行っても途中で読み終わってしまい、かといって大量に文庫本を持って行くと重いので、ああヒマだ……となったものです。

そういう意味では、「青春18きっぷ」向きの時代になった、と言えるのでしょうか。乗り継ぎの時間も、アプリでかんたんに分かりますしね。

東海道線の熱海駅
東海道線の熱海駅

「青春18×万博」モデルコース?

私はこの夏、家族そろって3日間のまとまった休みを取れそうなので、東京都区内の我が家から大阪・関西万博へ、みんなで「青春18きっぷ」の3日間用を使い、行くことを予定しています。

2025年8月1日(金)時点の暫定的な乗り継ぎスケジュールは、次の通りです。

「青春18きっぷ」で大阪・関西万博へ
  • 1列車目
    東京駅

    5時20分発の沼津駅行き普通に乗車

  • 2列車目
    三島駅(静岡県)

    7時21分に到着したのち、7時29分発の静岡駅行き普通に乗車

  • 3列車目
    静岡駅

    8時29分に到着したのち、8時31分発の浜松駅行き普通に乗車

  • 4列車目
    浜松駅(静岡県)

    9時42分に到着したのち、9時44分発の豊橋駅行き普通に乗車

  • 5列車目
    豊橋駅(愛知県)

    10時18分に到着したのち、10時21分発の大垣駅行き新快速に乗車

  • 6列車目
    名古屋駅(愛知県)

    11時13分に到着したのち、名古屋名物の「台湾ラーメン」か「味噌煮込みうどん」を食べ、12時30分発の大垣駅行き快速に乗車

  • 7列車目
    大垣駅(岐阜県)

    13時02分に到着したのち、13時11分発の米原駅行き普通に乗車

  • 8列車目
    米原駅(滋賀県)

    13時47分に到着したのち、13時50分発の姫路駅行き新快速に乗車

  • 大阪駅

    15時13分に到着

朝早くに東京を出れば、夕方までに大阪へ着けるので、さっそく夜間券で大阪・関西万博を楽しむこともできます。

私たちは小学生の息子が一緒のため、ホテルにチェックインして何か大阪名物を食べたのち、早めに休んで、翌日に全力を尽くそうと考えていますが。

ちなみに、東京駅を15時07分発の伊東駅行きまでに出発すれば、その日のうちに大阪へ着くことができます(東京駅15時07分発の場合、大阪駅着は0時45分)。

東京~大阪間の「青春18きっぷ」移動は、難易度的には初級イージーですよね。

列車本数が多い、途中に大きな街が多い、並行して東海道新幹線があるので、仮にトラブルが発生しても、どうにかなりやすいです。

行き1日・万博1日・帰り1日

私はこの夏、こうして行きは1日かけて、名古屋めしを味わいつつ東京から大阪へ、2日目は朝から晩まで大阪・関西万博を楽しんだのち、3日目はまた1日かけて、どこかでまた名物を味わいながら東京へ帰ってくる予定です。

幸い、一緒に行く妻も息子もこうした旅を楽しめるほうなので、東京~大阪の往復交通費が「青春18きっぷ」3日間用3人分で3万円、大阪市内での宿泊費が2泊分で2万円、一家3人あわせて5万円で大阪・関西万博を楽しんできます。

東海道新幹線で行くと、新幹線代だけで往復6万5000円などになるので、だいぶ出費を抑えられますね。

ちなみに大阪・関西万博は、すでに6月に一度、一家で楽しんだことがあります。そのときは東京からマイカーを使い、3泊4日の旅程で行きました。

大阪・関西万博のドローンショー
大阪・関西万博のドローンショー

時間の無駄?

こうした「行き1日・万博1日・帰り1日」を「時間の無駄」と思う人がいても、当然だと思います。

新幹線で1泊2日、もしくは2泊3日で行けば、より万博や大阪を楽しむ時間ができますしね。

ただ私は、息子に普通列車で各地域に触れながら移動する旅を、社会科の学習的な観点から1度は体験してもらいたいと思っていて、今回、実行する予定です。

その長い移動時間を肌で感じることもまた、よい体験になると思います。

これから学校などで色々と勉強していくなかで、「あのとき通った場所だ」「あのとき見たやつだ」となったり。

「ぼく、東京から大阪まで普通電車だけで行ったことがあるよ」と、息子が友達へちょっと自慢げに話したり。

そうなれば十分、乗り継ぎ旅の意味はあったと思います。

というか、東海道新幹線は楽すぎて、考える必要なく移動できてしまうのですよね。

新幹線は明らかに楽ではあるのですが、息子には色々と考えるきっかけがあってほしい、と教育的な意味で思っているので、長い道中で色々と考えてしまいそうな在来線乗り継ぎの旅は、今後の糧になる……といいなぁ、と思っております。

道中を楽しむのも、旅の醍醐味ですしね。

まあなんだかんだ言っても、安いのが大きいですけども。

ふたつの色が交わるJR琵琶湖線の米原駅(2011年10月、恵 知仁撮影)
ふたつの色が交わるJR琵琶湖線の米原駅(2011年10月、恵 知仁撮影)

「青春18×万博」注意事項

「青春18きっぷ」は期間限定発売で、利用できる期間も限られています。

2025年夏季の発売期間は、7月4日(金)から、3日間用が9月7日(日)、5日間用が9月5日(金)まで。

利用できる期間は、いずれも7月19日(土)から9月9日(火)までです。

元々「青春18きっぷ」は、学生の利用が減る夏休み、冬休み、春休みの期間に新しい利用者を獲得し、売り上げアップをねらう、という目的で登場しました。

そのためにこうした期間設定が行われており、過ごしやすくなる&万博がフィナーレを迎える9月中旬から10月にかけて、「青春18きっぷ」は使えません。

ただ、諦めるのは早いです。

大阪・関西万博の最寄り駅である大阪メトロ夢洲駅
大阪・関西万博の最寄り駅である大阪メトロ夢洲駅

よりお得な「秋の乗り放題パス」

JRグループでは例年、「青春18きっぷ」と同様にJR全線の普通・快速列車の自由席が乗り降り自由になる「秋の乗り放題パス」を発売しています。

2024年度の場合、発売期間は9月13日(金)から10月18日(金)まで、利用できる期間は10月5日(土)から20日(日)まで。

連続する3日間の有効で、料金が大人7850円と「青春18きっぷ」より安いほか、子供(小学生)用も3920円で発売されるため、この「秋の乗り放題パス」を使ったほうが、よりお得に大阪・関西万博の会場へ行くことができます。

2025年も同様に「秋の乗り放題パス」が発売されれば、過ごしやすい時期に大阪・関西万博と、そのフィナーレを楽しみに行くことが、安く可能です。

この「秋の乗り放題パス」は2024年度、9月6日(金)にその詳細が発表されました。

2025年度も、9月5日(金)ごろに詳細が発表されるかもしれません。