
電車の料金は、何歳から必要なのでしょうか。何歳から子供料金になるのでしょうか。小学生、中学生の場合はどうなるのでしょうか。
子鉄の息子を持つ鉄道ライターが、その経験などを元にお答えします。
0歳・1歳・2歳・3歳・4歳・5歳の料金
保護者が同行していれば、0歳から5歳の子供(以下「未就学児」)は料金不要で乗車できます。保護者は小学生でもOKです。
ただし次の場合は、保護者が同行する未就学児でも子供料金が必要になります。
- 指定席を、未就学児がひとりで1席利用する場合(寝台の場合も同様)
- 未就学児の人数が、同行できる人数を超える場合(保護者1人につき2人までOK)
- 団体(ツアー)で乗車する場合
自由席であれば、未就学児がひとりで1席利用したとしても、基本的に料金は不要。ただ混雑時は可能なら、未就学児は親の膝の上に座らせるとスマートですね。
保護者1人につき、料金不要で乗車できる同行の未就学児は2人までです。それより多くの未就学児が同行する場合、越えた未就学児の人数分の子供料金が必要になります。1歳未満の乳児は数に含みません。

未就学児がひとりで電車に乗る場合は、子供料金が必要です。
なお、未就学児がひとりで1席の指定席を利用する場合、「指定席券だけ買えばいい」ではなく、子供料金で乗る場合に必要な切符すべてを購入する必要があります。
詳しくは、次の各例をご覧ください。すべて、未就学児が親に連れられている設定です。
- Q「未就学児が、親の膝の上にのって指定席に乗車」する場合の料金は?
親の料金だけで乗車できます。
- Q「未就学児が、1人分の座席を使って、普通車指定席に乗車」する場合の料金は?
親の料金にくわえ、子供の料金も必要です。
- Q「未就学児が、1人分の座席を使って、グリーン車指定席に乗車」する場合の料金は?
親の料金にくわえ、子供の料金も必要です。グリーン券は子供料金がないため、大人と同じ料金になります。
- Q「未就学児が、1人分の座席を使って、普通車自由席に乗車」する場合の料金は?
親の料金だけで乗車できます。
- Q「未就学児が、1人分の座席を使って、グリーン車自由席に乗車」する場合の料金は?
親の料金だけで乗車できます。
- Q列車が「全車指定席」の場合の料金は?
東武鉄道、西武鉄道、小田急電鉄、京成電鉄、近鉄などでは、特急列車がすべて指定席です。こうした全車指定席の列車で未就学児をひとりで座らせたければ、未就学児も子供料金が必要になります。

6歳の料金
子供の年齢が6歳の場合、「3月31日以前」か「4月1日以降」かで、変わってきます。
3月31日以前
幼稚園や保育園を卒園していても、その年の3月31日までは未就学児扱い。前述した「0歳・1歳・2歳・3歳・4歳・5歳の料金」の内容と同じ条件で、電車に乗ることができます。
4月1日以降
小学校の入学式が終わっていなくても、その年の4月1日からは子供料金が必要です。
子供料金について詳しくは、次の「7歳・8歳・9歳・10歳・11歳の料金」の項目をご覧ください。

7歳・8歳・9歳・10歳・11歳の料金
子供の料金が必要です。
基本的に、子供の料金は大人の半額ですが、利用する鉄道会社や座席などによって異なる場合があるため、注意してください。
乗車券(運賃)、特急券、急行券、指定席券、入場券の料金は、大人の半額です。
グリーン券、寝台券の料金は、子供も大人と同額の料金が必要になります。グランクラスも同様です。

フリー切符やお得な切符はものによって異なり、大人料金の半額になる場合、子供用がない場合、子供用は特に安くされている場合などがあります。
子供用がない場合、子供が大人用の切符を使うことは、基本的に問題ありません。
端数はどうなる?
紙の切符は、料金が10円単位です。
そのため、大人料金を半額にすると5円の端数が出る場合がありますが、JRではその5円を切り捨てます(105円だったら100円になる)。
ただ私鉄の場合、5円の端数は切り上げることが多いです(105円だったら110円になる)。
交通系ICカードを利用する場合、料金は1円単位です。
そのため、大人料金を半額にすると1円未満の端数が出る場合がありますが、その端数は切り捨てになります(131.5円だったら131円になる)。
12歳の料金
子供の年齢が12歳の場合、「3月31日以前」か「4月1日以降」かで、変わってきます。
3月31日以前
小学校を卒業していても、その年の3月31日までは子供扱い。前述の「7歳・8歳・9歳・10歳・11歳」の内容と同じ条件で、電車に乗ることができます。
4月1日以降
中学校の入学式が終わっていなくても、その年の4月1日からは大人料金が必要です。
特例
4月から中学生になる小学生が、3月31日までに使い始めた子供料金の乗車券なら、4月1日以降もその乗車券の有効期限内に限り、そのまま使うことができます。
この乗車券と一緒に使う場合は、特急券なども子供料金の切符でOKです。
ただし定期券、回数券は対象外。4月1日以降に子供料金の定期券、回数券を使うことはできません。
13歳以上の料金
中学生や高校生は、大人料金が必要です。
ただ学生であれば、割安な通学定期券、乗車券(運賃)が割り引きになる学割を使うことができます。
学割を利用するには、片道101km以上の乗車で、切符の購入時に学校が発行する学割証が必要。あまり手軽には使えません。

料金計算の例
例に挙げている料金は通常時のもので、時期により変動する場合があります。
- Q「新幹線『のぞみ』普通車指定席で、東京駅から名古屋駅まで」行く場合の料金は?
大人料金は、乗車券6380円、指定席特急券4920円で、あわせて1万1300円です。
子供料金は、乗車券3190円、指定席特急券2460円で、あわせて5650円です。
- Q「新幹線『のぞみ』グリーン車指定席で、東京駅から名古屋駅まで」行く場合の料金は?
大人料金は、乗車券6380円、特急券4390円、グリーン券4190円で、あわせて1万4960円です。
子供料金は、乗車券3190円、特急券2190円、グリーン券4190円で、あわせて9570円です。
- Q「湘南新宿ラインのグリーン車に、鎌倉駅から新宿駅まで、大人2人、小学生1人、未就学児1人で、Suicaを使い乗車」する場合の料金は?
大人の料金は、乗車券1034円×2人分、グリーン券1000円×2人分で、あわせて4068円です(2026年3月14日以降の料金)。
子供の料金は、乗車券517円×1人分、グリーン券1000円×1人分で、あわせて1517円です(2026年3月14日以降の料金)。
未就学児は、座席を使っても無料です。
首都圏の普通列車にあるグリーン車では、未就学児が保護者の隣で座席を使っている場合、何も言わなくともアテンダントさんが端末を操作して、未就学児の席も使用中を意味する「緑ランプ」にしてくれます。
詳しくは次のページをご覧ください。
作ると便利「子供用ICカード」
子供でも、切符の代わりにSuica、PASMO、ICOCAといった交通系ICカードを乗車券として使って、電車に乗ることができます。
子供用として設定された交通系ICカードを使い自動改札にタッチすると、子供の運賃が引き落とされる形です。Suicaグリーン券としても使えます。
子供用の交通系ICカードは、子供の年齢を確認できるもの(マイナンバーカードなど)を持って、駅の窓口などで申し込めば購入可能。未就学児でも買うことができ、有効期限は小学校卒業年の3月31日までです。
便利なのでぜひ購入をオススメしたいところですが、使用する交通系ICカードによって細かいルール、購入できる場所などは異なるため、詳しくは次のページをご覧ください。
ズルはバレる?
中学生なのに子供料金の切符を使う、小学生なのに未就学児のふりをする、ダメです。
自動改札機には、子供の切符を使うと「子供が自動改札機を通った」ことを知らせるしくみがあります。
子供の年齢が実際より上に見られてしまいがちな場合は、年齢がわかる書類のコピーなどを子供に携帯させ、必要に応じて提示させるとよいでしょう。

不正乗車がバレた場合
JRは旅客営業規則で、「不正乗車が発覚した場合、正規の料金の3倍を請求する」としています。
もし中学生が子供料金の切符で、東京駅から名古屋駅まで新幹線「のぞみ」普通車指定席に乗車し、年齢詐称による不正がバレた場合、その子供料金の切符は無効になったうえ、正規料金1万1300円の3倍、3万3900円が請求されます。


