
往復6000ポイント程度で、東北新幹線、秋田新幹線、山形新幹線、上越新幹線、北陸新幹線(安中榛名~上越妙高)のどこかの駅に行ける、JR東日本の「どこかにビューーン!」。
ねらいの駅を出しやすくする方法、当てる攻略法、裏技はあるのでしょうか。鉄道ライターがその経験などを元にお答えします
JR東日本「どこかにビューーン!」の行き先ランキングについては、次のページをご覧ください。
JR東日本「どこかにビューーン!」で「あたり」と「ハズレ」の行き先については、次のページをご覧ください。
「ねらいの駅」を当てるには?
JR東日本「どこかにビューーン!」に申し込むとき、提示される4つの行き先候補。
そこで自分が行きたい駅を当てる方法は、「ない」と思います。
4つの行き先候補は2025年11月現在、1日あたり100回まで検索が可能でした。
次の条件を満たす「賭けてもいい」と思える4駅の組み合わせが出てくるまで、粘って再検索する、リセマラする、というのが常道でしょう。
- 行きたい駅、地域が含まれている
- 行きたくない駅、地域が含まれていない
たとえば、次の場合。
- いちばん行きたいのは「新潟」
- 「仙台」「長野」「山形」も行ってみたい
- 「○○」「△△」「□□」は嫌だ
検索して提示された4駅の組み合わせに、「新潟」と、「仙台」「長野」「山形」のうちなるべく多くの駅が含まれていて、かつ「○○」「△△」「□□」が含まれていない、という場合に申し込むといった感じでしょうか。

「ねらいの駅」を出しやすくする方法(1)
JR東日本「どこかにビューーン!」に必勝法はないとしても、「ねらいの駅、行きたい駅、地域を出しやすくする方法」なら、あるかもしれません。
それは、「なるべく早く申し込む」です。
JR東日本は、「どこかにビューーン!」で利用できる座席数には限りがある、としています。
となると、たとえば出発日として選んだ日に、秋田新幹線「こまち」で空席があったとしても、「こまち」に用意されていた「どこかにビューーン!」用の席はすべて埋まっていたら、秋田新幹線に乗る行き先は候補にすら出てこない、ということが考えられるのです。
なので、「その枠が埋まる前に、なるべく早く申し込む」というのは、JR東日本「どこかにビューーン!」攻略の重要なポイントといえるでしょう。
JR東日本「どこかにビューーン!」は、出発する日の21日前0時00分から、6日前23時59分まで、申し込み可能です。
「ねらいの駅」を出しやすくする方法(2)
JR東日本「どこかにビューーン!」のような特典での乗車を増やしすぎると、正規料金での利用者が減り、運営側にとってデメリットが大きくなる可能性があります。
「どこかにビューーン!」をJR東日本と共同運営している野村総合研究所は、次のように述べています。
『どこかにビューーン!』の予約枠を確保しすぎると正規料金の枠が圧迫され、JR東日本には機会損失が生じてしまう。逆に予約枠が少なければ、4択候補地のバリエーションが乏しくなってしまう。この絶妙なバランスをとる予測システムも、私たちが構築しました。
運営側のメリット、デメリットを考えると、JR東日本「どこかにビューーン!」で利用できる新幹線は「予約状況に余裕がある列車」が中心となりそうです。
なので、もし「青森ねぶた祭」の開催期間中に「新青森」が行き先の候補になったとしても、正規料金でも利用したい乗客が大勢いるはずなので、そこに決まる可能性は低いと思います(行き先候補にすらならないかもしれませんけど)。
「行きたい場所が混みそうな時期に申し込むのは避ける」というのは、JR東日本「どこかにビューーン!」攻略のポイントになるかもしれませんね。
混む理由がある時期だからこそ、そこに行きたいとなるわけで、悩ましいところですが。
一概には言い切れない…?
逆に、混む時期は臨時列車が増発される=全体の座席数が増えるので、行きたい場所へ行きやすくなる――ということも考えられますが、まあ予約状況次第なのでしょうか。
新幹線の一般的な切符を予約できるのは通常1か月前からで、団体ならさらに前から予約可能です。
対し、JR東日本「どこかにビューーン!」を申し込めるのは21日前から。
一般予約の受け付けが始まってしばらくしたのち、その状況や過去のデータなどを踏まえて「どこかにビューーン!」の枠を設定している感じなのかもしれません。

「ねらいの駅」を出しやすくする方法(3)
JR東日本「どこかにビューーン!」は、その申し込み状況、各新幹線の予約状況などで、候補になる4つの駅、決定する行き先が変わると思われます。
そうであるなら、「需要が少ない条件」で申し込むと、ねらいの駅、行きたい駅、地域が候補に出やすくなり、また、そこに当たりやすくなるかもしれません。
出発時間帯を、午後の下り列車など旅行に出るには少し中途半端な時間にずらす、出発日、到着日を旅行者が少なそうな火曜日、水曜日あたりにする、といったところでしょうか。
「申し込む人数を減らす」という方法もありますが、家族旅行やグループ旅行の場合、無理ですね。
「裏技」はある?
何をもって「裏技」とするのかあやふやですが、あえて挙げるなら「途中下車・途中乗車」でしょうか。
たとえば、JR東日本「どこかにビューーン!」に申し込み、「東京駅発着で新青森駅まで『はやぶさ』往復」に決まったとしましょう。
この場合、「はやぶさ」が停車する途中の仙台駅、盛岡駅などで下車し、帰りも仙台駅、盛岡駅から乗車する、といったことが可能だったりします。
言い換えれば、行き先が「新青森」が決まったとしても、「仙台」「盛岡」といった途中に停車する駅を目的地にできる、ということです。
実際、私も「東京駅発着で仙台駅まで『やまびこ』往復」に決まったとき、行きは仙台駅まで普通に乗ったものの、帰りは指定された「やまびこ」に途中の福島駅から乗って東京駅へ、という「どこかにビューーン!」の旅を楽しんだことがあります。
このとき改札口は、通常の「どこかにビューーン!」と同様に、交通系ICカード、スマートフォンをタッチするだけで、何事もなく利用できました。

途中下車・乗車のデメリット(1)
ただ「途中下車・途中乗車」は、JR東日本「どこかにビューーン!」の楽しさ、ねらい的なところから、外れてくるように思います。
まず「偶然から始まる新たな出逢いや体験」という、その醍醐味を捨ててしまうこと。
JR東日本「どこかにビューーン!」でそこに決まらなければ行かないような駅、場所、あると思います。
行ってみたら意外とよかった、好きになった、あると思います。
こうした機会、楽しさを、みずから手放すことになるのです。
途中下車・乗車のデメリット(2)
JR東日本「どこかにビューーン!」について、野村総合研究所は、次のように述べています。
『どこかにビューーン!』で地域活性化に貢献する、という想いがプロジェクトメンバーにはありました。有名な観光地は別にして、例えば、東北各地を多くの人が訪れているかというと、そうではない。ランダムな場所に人を送る『どこかにビューーン!』なら、人がその地域に関心を抱くきっかけをつくります。都市部から地方への観光流動を促すことは、JR東日本という会社の発展に重要であり、地域の活性化にもつながります。
結局みんな大きな街や有名観光地にしか行かない、となったら、こうした理念、目的の実現を果たせない、ということになってしまいます。
いち利用者が気にすることではないかもしれませんが、個人的には、可能であるなら日本各地が元気になったらいいなぁと思います。
もっとも私は「どこかにビューーン!」途中下車・途中乗車経験アリなんで、どの口が言うのか、ですけども。
それはさておき、「途中下車・途中乗車」はJR東日本「どこかにビューーン!」本来の理念、目的とは外れている可能性がるため、今後、ルール変更や何らかの何かがあるかもしれない、というのを頭の片隅に入れておいたほうがよいかもしれません。
「どこかにビューーン!」関連情報
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