【解答】電車で「靴を脱ぐ」はマナー違反か?

電車FAQ
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東海道新幹線のN700系普通車
東海道新幹線のN700系普通車
  • なぜ車内で靴を脱ぐのか?
  • なぜ車内で靴を脱ぐのが嫌がられるのか?
  • ルール、マナーはどうなっているのか?
  • 子供の場合はどうなのか?

電車の車内で靴を脱ぐ行為の是非について、鉄道ライターがその経験を元にお答えします。

鉄道、乗り物、旅行に関する取材、記事制作などを行っています。鉄道ライター、トラベルライター。日本の鉄道はJR、私鉄とも完乗。東京都在住。一児の父。

靴を脱ぐメリット・デメリット

そもそも何がよくて電車の車内で靴を脱ぐのか、考えてみます。

  • 足の窮屈さがなくなって楽
  • ボックス席の場合、前の席に足をのせられて楽

こんなところでしょうか。ふたつ目の行為は、ただ靴を脱ぐ以上に賛否両論あると思いますが、ひとまず置いといてください。

では「車内で靴を脱ぐ行為はNG」と考える理由には、どんなものがあるでしょうか。

  • 足のにおいが周囲に広がる
  • 靴下も不衛生

こんなところでしょうか。

つまり、靴を脱いだ本人にはメリットがあるものの、周囲にはデメリットしかない、わけですね。

問題になるわけです。

「車内での靴脱ぎ」はマナー違反?
「車内での靴脱ぎ」はマナー違反?

電車の「靴」に関するルールは?

「車内で靴を脱いではいけない」というルールは、存在していません。

ただJRの旅客営業規則「第10章 手回り品」には、車内へ持ち込めないものについて、次の条文があります。

  • 不潔又は臭気のため、他の旅客に迷惑をかけるおそれがあるもの(第307条第1項)

該当する場合、「車内から退去させる」となっています(ごくシンプルに表現すると)。

「不潔、臭気の原因になる場合は列車に乗せない」というルールがあるわけですね。

着ている衣服も対象?

しかし、これは手回り品――いわば持ち物に関するルールです。

衣服など、身につけているものにも適用できるのか……。

また、その人自体が該当しそうな場合はどうなのか……。

仮に適用できるとしても、具体的な基準は存在していません。

ただこの条文から――

車内で不潔なもの、臭いものはNG

――という明確なルール、原則がある、とは言えそうです。

「車内で靴を脱ぐ」はNG?

「においの問題」は難しいですよね。

たとえば人間の体臭的な話だと、どうしようもない場合もありますし。

なので「どうしようもない場合」は置いとくとして、公共の場である車内ではとりあえず――

それをしたら不潔、臭くなることはやめようよ、そういうマナーにしようよ、ルール上も不潔、臭いはNGだし

――というのは、現実的な話にも思います。

となると、「車内で靴を脱ぐ」はNGになるのでしょうか。

靴を脱いで使う席も

新幹線のグリーン車にあるフットレストは、足置きがそのままの状態だと靴を履いて、足置きを裏返した状態では靴を脱いで使うしくみです。

JRの特急列車にあるグリーン車も、そうして足置きを裏返せるものは、同じ使い方ですね。

これらは特に「靴を脱いで」とは明記されていませんが、近鉄の特急「ひのとり」にあるフットレストは、「靴を脱いで」と明記されています。

なので、現時点で「車内で靴を脱ぐ」ことは――

一般的な利用の範囲内

――であり、基本的には問題ないというのが鉄道会社側の考えで、それが社会的に続いてきた慣例だといえるでしょう。

靴を脱いで使う近鉄「ひのとり」のフットレスト
靴を脱いで使う近鉄「ひのとり」のフットレスト

食事・飲酒・化粧…

とはいえやはり、「においの問題」は難しいですよね。

「車内で靴を脱ぐ」行為を不快に感じる場合があるのは事実で、そうした「においが出る行為」をやめようよ、という考えが出てくるのは当然だと思います。

しかしそうすると、車内での食事、飲酒、化粧なども引っかかってくる可能性が……。

「不潔、臭いはダメ」というルールはあるものの、どこからが「不潔、臭い」になるのか、明確な基準はありません。

その線引きは――

その時代の社会通念、マナーの考え方による

――となるのでしょう。

少なくとも現時点では、靴を脱いで使う席が車内にあるように、社会通念上、「車内で靴を脱ぐ行為」自体は問題ではない、ということになっている、といえそうです。

ヤバかった昭和の靴脱ぎ

昭和の時代、車内で靴を脱ぐ行為は当たり前のように行われていた気がします。

平成の時代も、少なくとも中期ぐらいまでは結構、そうだったかもしれません。

靴を脱いで、足を床に敷いた新聞紙の上にのせる。

ボックス席で靴を脱いで、向かいの席に足をのせる。

よく見ました。

というか、それ以上のこともありました。

荷物どけてくれない?

昭和末期から平成初期、私が中高生ぐらいのときだったでしょうか。

私は、4人掛けボックス席の進行方向窓側に着席。車内は空いていたので、隣の席に荷物を置いていました。

すると、ある停車駅からおじさんが乗ってきて、私の右斜め前(進行方向逆向き通路側)に座ります。

おじさんは、私に言いました。

「足をのせたいから、荷物どけてくれない?」

つまり、私の座っているすぐ横に、自分の足をのせるぞ、と言っているのです。

しかも、私に荷物をどけさせて。

これには、さすがの当時でも「はぁ?」となりました。

荷物、どけてしまいましたけども。

昭和・平成初期の普通列車車内
昭和・平成初期の普通列車車内

それはまだマシだった…

さらにヤバいこともありました。

同様の状況で、いきなり足をのせてきた人がいたのです。無言で、私の荷物が置いてある場所に。

さすがに足は荷物の上でなく、荷物の横でしたが、だからOKというものでもありません。

令和のいまだったら、SNSにさらされそうですよね。

まあでも、私より上の世代ではこうした行為、特に問題ではなかったのかもしれません。

令和のいま、車内での靴脱ぎについて、特に若い方が違和感を覚えているように見えます。

平成初期、上の世代に違和感を覚えた若い私も、それと同じなのかもしれません。

それでも、この2例はどうかと思いますが。

「車内で靴を脱ぐ」アリかナシか?

電車の車内で靴を脱ぐ行為について、昭和生まれの私は車内が空いていれば、そこまで気にしないです。

それを言うなら、靴を脱いで使う個室じゃないお座敷席はどうなるんだ、というのもありますしね。

ただ車内で、少なくとも次の行為は完全NG、マナー違反だと思います。

  • 知らない人が座っているボックス席で靴を脱ぐ
  • 2人掛けの席で隣が知らない人なのに靴を脱ぐ

もちろん、靴や靴下が清潔であるのは大前提です。

左が靴を履いたまま、右が靴を脱いで使う状態の新幹線グリーン車フットレスト
左が靴を履いたまま、右が靴を脱いで使う状態の新幹線グリーン車フットレスト

子供の場合は…

あと、ここまでつらつらと書いてきたのは「大人の場合」です。

小学校低学年ぐらいまでの子供の場合、靴を脱いで基本的に問題ないと思います。靴を脱いで座席にあがり、外を見ている光景は、微笑ましいです。

こういう言い方もなんですが、おとなしくしているのがなかなか難しい年齢で、靴を履いて動かれるよりは……というのもありますね。。

今後は「ナシ」が標準に?

社会通念やマナーは、時代とともに変化します。

「車内で靴を脱ぐ」行為については、より品がよく、衛生的な方向で変わっている感じです。

今後――

「車内で靴を脱ぐのはダメでしょ」が共通認識になる時代

――が来るかもしれませんね。

ただ逆に言えば、現在は「別に問題ないでしょ?」と思っている人が、少なからずいるのも事実。

人や世代によって「常識」が違っているのが現実。

何かあっても、冷静な対応をオススメしたいです。

この記事のまとめ

  • 車内で靴を脱ぐ行為は、少なくとも異常なことではない
  • 靴を脱いで使う席もある
  • ただ車内で靴を脱ぐ行為は、周囲への迷惑になり得る
  • 令和の現在、SNSでは「靴を脱ぐこと」に否定的な意見も少なくない

車内で靴を脱ぐ行為について、昔から不快に思っていた人がいて、SNS時代にそれが可視化されてきたという部分もあるのでしょう。

ただ現在、否定的な意見が少なからず存在している以上、空いている場合、そうして使う席である場合、子供を除いて、車内で靴を脱ぐのは控えたほうがよいと思います。

そのあたりが「脱いでOK派」と「脱ぐのNG派」の歩み寄りポイントではないでしょうか。

お役立ち情報

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